実は在宅勤務が始まってすぐに、みんな大好きHappy Hacking Keyboardを買っちまいました。
英語配列、刻印有りの墨モデルです。
3ヶ月ほど使ってわかったことは…
非常に完成度の高いキーボードだが、自分には合わない。ということ。
キーボードとしての基本性能は非常に高く合う人には合うのでしょうが、キー配列が特殊過ぎて使いづらいです。
3ヶ月も使えば慣れるだろうと思っていましたが、だめでした。

「買った!」という報告をすっ飛ばして、「手放します!」という話です…(汗
今回はHHKB Professional Classicの魅力と僕が感じた欠点をお伝えします。※あくまで「僕には合いませんでした」という話です。
HHKBを買うつもりだけど実際どうなの?という方の参考になれば嬉しいです!
HHKBとは?
この記事にたどり着く方には不要な解説ですが一応ね…。
Happy Hacking Keyboardとは、株式会社PFUが発売しているキーボード。
「理想のキーボード」を追求しており、キータッチの感覚やキー配列に並々ならぬこだわりがあるようです。
- 静電容量無接点方式を採用
- 必要最低限のキーで構成されている
- 合理性を追求したキー配列
- 値段が高い
静電容量無接点方式というのはキー構造の種類の一つ。
細い仕組みはさておき、深いキーストロークと「スコスコ」的な感触が特徴のキーボードです。
コレだけは実物を触って確かめるしかないので、実店舗で確かめて見ましょう。RentioではHHKBの最上位モデルが14泊4980円でレンタルできるようです。
後述の通り人を選ぶ上に値段も高いので、購入前に一度試してみることをオススメします。
HHKBの魅力
記事冒頭でも書いたとおりHHKBは「理想のキーボード」を標榜するだけあり、キーボードとしての基本性能が非常に高いです。
気持ち良いキーストローク

まず他のキーボードと圧倒的に違うのは、キーの感触。
静電容量無接点方式と言われてもピンと来ませんでしたが、お店で触ったときに惚れました。
メカニカルほどクリック感もなく、パンタグラフのようなパチパチ感とも違う。かといってメンブレンのような安っぽさも感じない。
HHKBを使った人のほとんどはこの打ち心地に満足しているハズです。
僕もこの3ヶ月間、仕事でもプライベートでもHHKBを使っていますが、明らかに長時間のタイピングでも疲れにくくなりました。
コンパクトな構成

HHKBのもう一つの特徴はそのコンパクトなサイズ感。
テンキーやカーソルキー、F1~12キーを排除して、Fnキーとの組み合わせにより入力させるという徹底ぶり。
僕がHHKBを選んだ理由はやはりこのサイズ感でした。
かなり小型のキーボードですからキーボードとマウスの距離が近く、手の移動距離が小さくなり、机の上も広く使えます。
英語配列の美しさ

使い勝手の観点からはむしろ悪影響のほうが強いのですが(後述)、HHKBの真の姿はやはり英語配列にアリ。
ほぼ左右対称のキー配列、手前両端のキーが省略されていることによる美しさよ。
また、ブラックではなく墨という色も良い。
日本語配列モデルは野暮ったいEnterキーやカーソルキー等の存在により、ただの優秀なキーボードになります。
ただし、あくまで見た目が美しいというだけで、果たして使いやすいキー配列かどうか…。これは使う人間に大きく依存します。
HHKBが僕に合わなかった理由
さて、ここからはHHKBを手放すに至った理由をお伝えします。
キーボードに限らず、僕が道具を選ぶとき一番大切にしていることは、そのアイテムが「道具に徹していること」です。
魅力の部分でお伝えしたようにHHKBはキーボードとしての性能は非常に優秀です。
しかし、他製品との差を出すための工夫が僕にとっては邪魔でしかなく、道具としては使いづらいという結論に至りました。
どうしても許容できなかったのが以下のポイント。
- 特殊すぎるキー配列
- サイズ優先による重要なキーの省略
- ゲーム用途でのつかいづらさ
特殊すぎるキー配列
キー配列こそがHHKBを選ぶ理由だ。そういう人もいるでしょう。
HHKBのキー配列は「プログラマーが理想とする配列」を意図しており、ホームポジションからの移動が少なくなるように考えられています。
ただ、僕には全く合わなかった…。
- Ctrlは左Shiftの上
- BackSpace/Deleteが同じキーで、Enterの上
- ~がBackSpace/Deleteの上
- 左FnとWinが逆
Ctrlキーは左Shiftの上

Ctrlの位置については、比較的すぐに慣れました。
たしかにCtrl+○系のショートカットはホームポジションからの移動が少ないので合理的だし、何より邪魔なだけのCapsLockがいないのは嬉しい限りです。
だがしかし、僕、小指が短いんです…。
ホームポジションからの移動が~というメリットよりも、小指を頑張って伸ばさないとCtrlに届かないというのがただただ苦痛。
結局薬指でCtrlキー押してますけど、だったら左下を小指で押すほうが楽じゃないかと。
Ctrlキーは左下に鎮座しているのがいいんですよ。
BackSpace/Deleteと~は上下逆だろ!

一番許せないのがBackSpace/Deleteの位置。
ホームポジションからの移動が~、もわかりますけど。
もう何度間違えたことか。
入力を間違えるたびに増える「````````````」ですよ。
キーボード入力でこんなにイラつくとは思ってませんでした。
左AltとWinが逆

タイピングしていてAltキーを押したいとき、僕は左親指で押しているのですが、HHKBではその位置に◇(Winキー)が割り当てられています。
そこじゃないだろ!と。
そして薬指で押していたWinキーの位置にAltキーが…。
ホームポジションからの移動が~って関係あります?親指と薬指じゃ全く使い心地が違います。
僕のタイピングの仕方がおかしい可能性はかなり大きいですけども、使いづらいことに変わりはありません。
さて、HHKBをすでに購入している方は「DIPスイッチで設定変えればいいじゃん」と思うでしょう。
そのとおりなんですけど、「Altだけど実はWin、◇だけど実はAlt」って気持ち悪くないですか?
Fnキー使う場面多すぎ
事前に断っておくと、Fnキーはコンパクトなキーボードに必要なものです。
でも、HHKBでは何をするにもFnキーが必要です。
テキストの範囲選択、カーソル移動、Deleteなどなど…
これにCrtl+Shift+…何かが加わるともう地獄で、「なんでこんなにキー押さなあかんの?」ってなります。
たしかにコンパクトなキーボードなんですけど、サイズ優先した結果使い勝手が悪くなっている気がします。
Deleteやカーソルキーなんて、普通に押せたほうがどう考えても便利だと思います。
Filoc Majestouch Minila Airではそんなことは感じなかったので、やはりHHKB特有の現象のはず。
ゲームには全く向かない

これもキー配列の問題なのですが、とにかくCtrlキーの位置が悪いです。
先日Doom Eternalなるゲームを購入して遊んだのですが、Ctrlキーが小指で押せず大変苦労しました。
さらに、普段薬指で押しているTabキーと位置が近いため、CtrlとTabを押し間違えまくり思うように操作できず、何度も悪魔にボコボコにされましたよ…。
もちろんゲーム側の設定を変えれば多少は改善するのでしょうが、そもそも小指の位置に物理的にキーが存在しないのでどうしようもありません。
HHKBが向かない人
憧れのHHKBを購入し、実際に使ってみて「合わない」ということがわかりました。
一言でいうと「HHKB以外のキーボードとの違いが致命的に大きい」。コレに尽きます。
購入を悩んでいる方で、以下のいずれかに当てはまる場合はよく考えてから購入しましょう…。
- 今使っているキーボードの配列が気に入っている人
- 複数のパソコン、タブレットを使う人
- ショートカットを多用し、かつ今のやり方を変えたくない人
- パソコンでゲームする人
HHKBのキー配列は確かに合理的かもしれません。
が、「ホームポジションからの移動が少なくなる」という言葉にそんなに魅力を感じないのであれば、HHKBは適切な選択肢ではない可能性が高いです。HHKBのキー配列に慣れるまでのコストが大きく、そもそも慣れない可能性すらあるからです。
また、家ではデスクトップを使い、外出用にノートパソコンやタブレットを持っている方にもおすすめできません。
キー配列が特殊なので、他のキーボードとの使い分けが非常に面倒です。
持ち運べばいいと考えるやもしれませんが、パソコン+キーボードを持ち運ぶのは多分苦痛です。
HHKBがコンパクトだというのはあくまで他と比較して、という話です。それなりに大きいし重いし、とても持ち運ぶ気にはなりません。
最後に
ほとんど悪口みたいですが、あくまで僕には合わなかったというだけです。
キーの感触は素晴らしく、キーボードが原因のタイプミスはほとんどありませんし、長時間使用していてもほとんど疲れません。
もちろん、現実としてHHKBの評価は高いですし、使いこなしている方も大勢います。
…が、上述のとおりHHKB最大の特徴であるキー配列が、僕にとっては苦痛とイライラの原因でしかなく、使いこなすには至りませんでした。
下位モデルでも約25000円~と、非常に高級なキーボードです。
値段分の価値を見いだせるかどうかは、このキー配列に慣れるかどうかにかかっています。友達に借りる、レンタルするなどして、購入前に使ってみることを強くオススメします。
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